カテゴリ
全体 Museum The profile The origin In Neo The limestone In China The other stone The imitation The aragonite 根尾桜石 孔雀石 糸菊 シカマイア 雲根誌21の世界 未分類 以前の記事
2020年 04月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 05月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 10月 2018年 07月 2018年 05月 2018年 04月 2017年 12月 2017年 07月 2017年 05月 2016年 08月 2016年 05月 2015年 04月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 04月 2014年 02月 2014年 01月 その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ブログジャンル
画像一覧
|
今まで、菊花石について書いてきましたが、まだ、良く理解して頂いてない様なので、まとめてみました。 菊花石の成因説については、幾つかの説があります。説と言うのは、客観的証拠が無いから、その人の考え方なのです。それは、大変あやふやな物で、それを補うために、著名学者の同意同調を得て、さらに補強するのが通例です。文献で言うところの査読です。 と言うことで、説は幾つ有っても良い訳です。でも、真実は唯一つ、当たり前ですが。これは、客観的証拠で裏付けられます。そう言う意味で、著名学者の立てた説は、最有力と言う事になる訳です。で、何も分からない者は、著名学者の説に同調しておけば、間違いないと言う事になるのです。今回の騒動、STAP細胞説においても、大いに、その気がありました。 私が、今まで取り上げた菊花石の写真は、全て、霰石説を覆す客観的証拠です。例えば、この写真を見て、霰石の仮晶と言えるでしょうか。 と言うことで、この一枚の写真で、菊花石は、霰石の仮晶でないと言うことが証明された訳です。そして、それを補強するために、たくさんの写真を添えている訳です。 また、決定的なのが、根尾にも、中国にも、たくさんの石灰岩から出てくる菊花石があると言うことです。ここからは、説になる訳ですが、こうなると、菊花石は「化石」と考えるしかないのです。ここまでは、ほぼ、確定されると思います。 ただ、権威のある人でも、中国の彫刻菊花石を本物の菊花石と間違えるくらいですから、?ですね。権威のあるという人が、鉱物とは、どう言う物か、良く解っていないのですから。もし、これが生物なら、似ているだけでよいのです。でも、鉱物の場合は、同一でないとダメなのです。 いよいよ菊花石はどう言う生物の化石かと言うことですが、まず放射状で、石灰化すると言う生物の第一候補は、「海綿」です。生物の事は良く分かりませんが、他には無いと思います。となれば、海綿化石と言うことが、最有力になります。で、現世の海綿を調べていきますと、ゴウシュウマルカイメンと言うのがありまして、非常に良く似ているのです。どちらにしても、菊花石は数億年前の生物、現世と同一と言うことはあり得ません。 と言うことで、結論は、鉱物結晶ではなく、化石であると言うことは、客観的に間違いないでしょう。では、その生物はと言うと、海綿ではないかと言うことで、これは、想像、つまり、海綿化石説と言うことになる訳です。 そして、これを補強する意味で、産状や構造を調べたり、色々な事をしている訳です。 ******************************************************* #
by MuseumofKikkaseki
| 2014-08-18 23:04
| 霰石仮晶説
石灰岩にも、菊花石は入っているのですが、たいていの場合、その中でも、写真で判る通り、多少泥質の部分なのです。その理由、取り敢えず置いといて、石灰岩中にもある理由です。これは、完全に、脇水鉄五郎説を、完全否定しています。輝緑凝灰岩、云々は無くなりました。と言うことは、霰石仮晶説は、振り出しに戻った事になります。と言うことは、菊花石の霰石仮晶説は、新たに説明し直す必要があります。それが出来ないと、この説は成立しないと思います。 何度も、言いますが、鉱物の場合、「似ている」は、「同じではなく、違うもの」と同意です。霰石に似ているから、霰石であると言うのは、全く、科学的ではありません。 なお、これらの標本は、菊花石収集家からの提供です。有り難うございました。 #
by MuseumofKikkaseki
| 2014-08-17 22:57
| 石灰岩中の菊花石
脇水鉄五郎氏の論文を読んでいると、私には良く分からない事がたくさん出てきます。菊花石の形態も、その一つですが、ほとんど理解できないのです。 「このシャールシュタインはどんな石かというと、これは古い地質時代の変質凝灰岩の一種で、秩父層中にあるものは、輝縁岩・輝緑玢岩は古期安山岩の如き中性乃至塩基性の火成岩の噴出砕屑、平たくいえば火山砂礫が、海底に於て凝固結成したもので、広い意味の凝灰岩の一種でありますが、火山地方で見られる新期の凝灰岩と比較して、著しく異なっている点は、組成鉱物たる斜長石・輝石等が、殆ど原形を留めない位に、熱水の分解作用を被って、はげしく変質し、その変質産物として、方解石・泡沸石・緑泥石・緑簾石・蛋白石・石英・粘土等々ど称する二次的鉱物を多分に含んで居ることであります。」 要約すると、「シャールシュタインは、火山砂礫が、海底に於て凝固結成したもので、組成鉱物たる斜長石・輝石等が、殆ど原形を留めない位に、熱水の分解作用を被って、はげしく変質し、その変質産物として、二次的鉱物を多分に含んで居る」となります。しかし、このような事が、本当に起こるだろうかという疑問があります。熱水の分解作用があったとすれば、その痕跡が何処かに残ると思いますが、それが見当たりません。 後に、「検鏡によって、海棲プランクトンのラヂオラリヤの化石を含んで居ることが、別って居ります」とあるので、どうしてラヂオラリアの化石は、熱水の分解作用を受けなかったかという事です。これは、大きな矛盾です。しかし、私は、たくさんの薄片を作りましたが、未だに、一つのラヂオラリアの化石を見付けていないのです。確かに、小さな丸い物は見られますが、これはラヂオラリアではありませんし、良く分からないのです。 そして、「塩基性の斜長石たる石灰長石至曹達石灰長石と称する石灰分の多い斜長石を多量に含んで居ります。これらの斜長石が分解すると、その中の石灰分は、炭酸と化合して、炭酸石灰たる方解石を、二次的に発生致します。それゆえシャールシュタインが、方解石に富んで居るのは、その成因が然らしむもので、何も不思議はないのです。」とあります。 と言うものの、シャールシュタインには、化石を含む石灰岩を胚胎することが多いので、何かすっきりしません。 「菊花模様の各々が、その蕊に当たる中心部に、核を有しで居ることです。核には、大小形状色々あって、大きくて非常に明瞭なものと、小さくて肉眼では殆ど分らないものとあります。要するに、大小も形状も、一定の規格はなく、物質的には、母岩の一部をなしている玢岩や輝緑岩の角片が核をなして居ることが多いようです。」 核は、玢岩や輝緑岩の角片が核をなして居ることが多いとありますが、そのような物は見当たりません。その前に、確か、これら岩石は、熱水の分解作用を受けたはずではなかったでしょうか。それが、核として存在すること自体おかしいのではないでしょうか。 そして、「核が小さくて肉眼では殆ど分らないもの」とありますが、これは検鏡で証明されたのでしょうか。 私思うに、「何かを核として結晶する」と言うこと自体、科学的表現でないと思うのです。例えば、硫酸銅の飽和溶液に、硫酸銅の小さな結晶を吊した場合は、確かに、この小さな結晶を核として成長するでしょう。 しかし、ここに、玢岩や輝緑岩の角片を吊した場合、これを核として結晶が成長するでしょうか。また、玢岩や輝緑岩で容器を作り、これに飽和硫酸銅溶液を満たした場合は、どうなるでしょう。容器であろうが、吊した物であろうが、化学的には、全く同じだと思います。これは、我々は、肉眼で見ているからだと思います。丸くなれば核、へばりついたように見えれば、核とは言わない、でも化学的には、全く一緒です。 分子から見れば、岩片でも、巨大です。これを目で見て区別するから、おかしい事になるのです。 続く ****************************** #
by MuseumofKikkaseki
| 2014-04-23 00:02
| 霰石仮晶説
菊花石の正体はと言うと、霰石の仮晶方解石説が、最も有力です。で、その根拠と言えば、何でしょうか。おそらくは、脇水鉄五郎説ではないでしょうか。多分、この説の支持されているのだと思います。それでは、その客観的証拠はと言うと、何でしょうか。霰石の結晶に似ていると言うことでしょうか。でも、鉱物学では、「似ていると言う」のは「非なる物」と同義語です。鉱物学では、全く同じでないと、それとは断定できないのです。 では、霰石と菊花石は、何処が似ているのでしょうか。脇水鉄五郎説によると、「菊花紋様に、大小二通りあることです。大なる方は、菊花の瓣に当たる結晶の一つ一つが、中心に近い方が細く先きの方がだんだん太くなつて居ります。そしで辨の先端は一つの平面に終わっています。」と、有ります。でも、前ページの菊花石の写真を見てみると、このような物は一つもありません。たくさんの菊花石を調べましたが、本当にそのような物は見つかりませんでした。きっと、脇水氏は、おそらくは菊花石を見ずに、霰石を見て、論文を書かれたのではないかと思います。 どう見ても、脇水さんは、菊花石の形状を菊花石ではなく、霰石を見て述べられているのではないかと思います。と言うのは、初めから結論は、「菊花石は霰石の仮晶」であると言うことが頭にあり、それに基づいて、否定材料は無視、そして、何とか肯定しようとしたのではと考えられます。 最近、スタップ細胞で捏造問題が起きていますが、どこか似たような所があります。形状からして、このような事では、結論は言うまでもありません。他にも、このような例はたくさんあります。例えば、産状。脇水説では、「シャールスタイン中に入っている」と書かれていますが、根尾では、石灰岩中にも、砂岩中にも入っています。 石灰岩中の菊花石です。普通、石灰岩中の菊花石は形態が少し違いますが、この菊花石は、シャールスタイン中のとそっくりです。 ********************************* #
by MuseumofKikkaseki
| 2014-04-14 23:42
| 霰石仮晶説
菊花石の花弁の特徴が、良く出ている物を集めてみました。 ところで、菊花石は、観賞石です。そのために、出来るだけ美しく見せるため、その姿を掘り出しています。その方法は、まず、芯出と言い、花の中心を掘り出し(削りだし)ます。そして、一つずつ花弁の中心を探りながら、花弁が最も美しい形に削りだしていくのです。そのために、平面ではなく、曲面になります。ただ、花弁の断面の多くは、その中心を通っています。こうした事情をも考慮して、菊花石を観察する必要があります。 ですから、菊花石は、花の中心を通る曲断面になる事が多いのです。そして、花弁は、その中心を通る縦断面です。ところが、花弁の横断面を示す菊花石標本は、非常に少ないのです。私は、観賞するよりは、こうした事を調べたい訳ですが、せっかく綺麗に磨かれた物を切断する訳には行きません。その内に、そうした標本も作って行く予定をしています。 菊花石の成因を調べるためには、ただ、綺麗に磨かれた石を見て、ただ「似ている」からと言う理由だけで判断するのは、非科学的で間違っていると思います。 そして、これらの特徴から、紙粘土で作ったのが、この再現模型です。 こうした菊花石を調べていくと、どうしても霰石結晶と言うよりは、海綿化石としか思えない形になるのです。私には、霰石としての特徴が、ただ放射状と言うだけ以外に、どうしても掴めないのです。 ************************ #
by MuseumofKikkaseki
| 2014-02-27 23:45
| 理論編
|
ファン申請 |
||